2015年4月号 『不眠症と治療薬について』
不眠症とは
不眠症のタイプは?
不眠症のタイプは大きく分けて以下の4つがあります。
就床後に寝つきが悪い「入眠障害」、一旦入眠したのち、起床するまで何度も目覚める「中途覚醒」、希望する起床時刻または通常の起床時間の2時間以上前に目覚めて再び入眠できない「早朝覚醒」、睡眠時間は充分であるにも関わらず、深く眠った感覚が得られない「熟睡障害」があります。
生活環境を整えて不眠症を改善
寝酒をする習慣は止めて不眠症を改善
寝酒によるアルコール摂取で寝つきが良くなると思われるかもしれませんが、実は寝酒の「害」は寝たあとに出てきます。それは、アルコールが分解されることによって出てくる「アルデヒド」が体内に急激に増えて交感神経(興奮するときに働く神経)を刺激し、眠りの質を極端に下げてしまいますので寝酒をする習慣は止めましょう。
不眠症の治療
生活環境を整え、寝酒をする習慣はやめても、不眠症が改善しない時はかかりつけのお医者さんに相談しましょう。そこから、お薬による不眠症の治療が始まることが一般的です。
不眠症の治療薬は?
GABAと言う受容体に結合する薬で興奮を抑制する作用の「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」、睡眠と覚醒のリズムを調節する「メラトニン系の睡眠薬」、脳内の覚醒中枢を抑制して睡眠作用を現す「オレキシン系の睡眠薬」等があります。
特に「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」は効果の続く時間に各種のタイプがあり、入眠障害や中途覚醒、そして早朝覚醒にそれぞれのタイプが使用されたりします。
その他、メラトニン系の睡眠薬やオレキシン系の睡眠薬、抗精神病薬や抗うつ薬等もそれぞれの特性を利用して不眠症の治療に使用されます。
これらの薬は副作用が強く出るものもあり、医師や薬剤師からの説明が必要です。