2015年8月号 『脱水症に注意しましょう!』
暑い日々が続く季節になりました。この時期、気をつけていただきたい症状に脱水があります。年齢に関わらず誰にでも起きる可能性があり、外出時だけでなく在宅時でも起こりやすい症状です。特に高齢者とお子様には気をつける必要があります。高齢者の方は、もともとの体内水分が少ない、喉の渇きを感じにくい、トイレを我慢して水分摂取をしないなどの理由により脱水症を発現しやすいと考えられます。またお子様は、代謝が活発であるため、知らず知らずのうちに多くの水分を失っている可能性がありますので、ご家族や周りの人達で注意してみてあげることが必要です。
脱水の症状
脱水によって引き起こされる病気
脱水によって引き起こされる病気として、熱中症はもちろんのこと、血管が詰まって起きる脳梗塞があります。血圧が上昇しやすい冬に発症すると思われがちですが、実は夏に最も多いのです。脱水状態では、血液中の水分量が減少しドロドロの血になり、血管壁に摩擦が生じます。これにより、血液を固める働きをする血小板が塊を作り、さらに赤血球や白血球を取り込みながら血の塊、つまり血栓を作り出すのです。
脳梗塞には、心臓付近にできた血栓が移動し、脳の血管を詰まらせる『脳塞栓』と、脳の血管そのものが狭くなったり、血栓ができたりする『脳血栓』がありますが、脱水が引き金となって起こるのは後者になります。脱水により起きる脳梗塞は重症化しやすいため、早めの対応が大切です。半身にしびれを感じる、力が入らなくなる、呂律が回らなくなる、目の異常などの前兆がありましたら、すぐに受診しましょう。これらの前兆は一時的なものなのですぐに消えてしまいます。放置せずに受診しましょう。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病の方は、動脈硬化が進んだ状態になっているので、特に気をつけましょう。また腎臓の機能が低下している方は、水分と電解質の再吸収が滞り、水分と電解質が失われて脱水症を起こしやすくなるので気をつけましょう。
予防について
暑い季節ではありますが、少しでも快適に過ごせるよう日頃から気をつけましょう。