2011年3月号 『鉄分豊富な食材 ひじき』
東海道薬局・管理栄養士のおすすめひじき料理
ひじきにはカルシウム、鉄、食物繊維が豊富に含まれています。その他、カリウムやマグネシウムのミネラルも含まれ、必須微量元素のヨウ素やマンガンを含有しています。 カルシウムが骨や歯を丈夫にし、イライラを鎮め精神を安定させ、マンガンはカルシウム吸収を助ける働きがあります。カリウムが体内の余分な塩分を排出し、食物繊維が血中コレステロール値を下げるので、高血圧や動脈硬化の予防に有効です。また、鉄分により貧血を予防します。
ひじきと牛肉の煮付け
【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ひじきは食物繊維やカルシウム、鉄分を豊富に含んでいます。食物繊維は腸内でビタミンB群合成を助ける働きがあります。その効果はたんぱく質がプラスされるとさらに高まるので、牛肉の動物性たんぱく質と大豆の植物性たんぱく質を一緒に取り、B群合成力を高めます。ひじきにはカルシウム吸収を高めるマンガンが含有されており、カルシウム吸収率に優れています。

・食材(二人分)
ひじき(生) 100g
牛肉(こま肉) 100g
煮大豆 1/2カップ
油 大さじ1/2
A だし汁 1/2カップ
しょうゆ 大さじ1と1/2
砂糖、酒 各大さじ1
・作り方
① ひじきは水洗いし、ザルに上げて水気をきる。
② 鍋に油を熱し、牛肉を炒める。肉の色が変わったら、ひじきと大豆を入れて炒める。
③ 油が全体になじんだら、Aを加え、汁気がなくなるまで中火で煮る。
ひじきの深川煮
【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ひじきの水溶性食物繊維と、ごぼうの不溶性食物繊維が腸の働きを活発にして、便秘解消に有効に働きます。水溶性の食物繊維にはコレステロールを下げる働きがあり、アサリのタウリンと一緒にコレステロールを下げて、動脈硬化や高脂血症の予防に働きます。ひじきとアサリの鉄分が貧血を予防し、アサリが含有するビタミンB12は悪性貧血を防ぎます。

・材料(二人分)
ひじき(生) 100g
あさりのむき身 60g
ごぼう 40g
ごま油 大さじ1
A 砂糖、酒 各大さじ1
しょうゆ 大さじ2
・作り方
① ひじきは水洗いし、ザルに上げて水気をきる。
② アサリのむき身はさっと水洗いし、ザルに上げて水気をきる。
③ ごぼうは皮をこそげ、ささがきにして水に放し、水気をきる。
④ しょうがは皮をこそげ、千切りにする。
⑤ 鍋にごま油を熱し、①、②、③、④を炒める。
⑥ 油が全体になじんだらAを入れ、汁気がなくなるまで中火で煮る。
ひじきいりののこご飯
【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
ののこ飯は鳥取県弓ヶ浜地方の郷土料理で、「ののこ」とは布子のことで、木綿の綿入れを意味しています。イソフラボンを豊富に含む油揚げに、食物繊維を含むひじきや白滝、ごぼう、カロチンを含む人参、ちくわのたんぱく質に米の糖質をプラスして栄養バランスに優れた一品にアレンジしました。ひじきと油揚げにはカルシウムも豊富で、骨粗鬆症の予防にも有効です。

・材料(四人分)
ひじき(生) 60g
人参 40g
ごぼう 40g
白滝 40g
ちくわ 1本
もち米 1カップ
油揚げ 4枚
A 水(もち米を漬けていた水) 1カップ
砂糖 大さじ3
しょうゆ 1/4カップ
・作り方
①もち米は洗って、たっぷりの水に漬け(3時間くらい)、水気をきる。
② 油揚げは熱湯を回しかけて油抜きし、短い方を一辺切り、細長い袋状にする。
③ ひじきはさっと水洗いし、水気をきる。
④ 白滝は熱湯でさっとゆで、3cm長さに切る。
⑤ 人参、ちくわはみじん切りにする。
⑥ ごぼうは皮をこそげ、ささがきにして水に放し、水気をきる。
⑦ ボウルに①、③、④、⑤を入れてよく混ぜ、油揚げに詰め、口を楊枝で留める。同じものを4つつくる。
⑧ 炊飯器に⑦を重ならないように並べ、Aを加えて炊く。
⑨ 食べやすい大きさに切り分け、器に盛る。
ひじきサラダ
【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
鉄分含有の高いひじきに、大根のビタミンCをプラスして鉄分の吸収率を高め、貧血を予防します。豊富なカルシウムが、骨や歯を丈夫にし、精神安定にも働きます。人参のカロチンはごま油やくるみの脂質で吸収率が高まり、粘膜を強化し肌を丈夫にします。カロチンやくるみの抗酸化力が細胞の酸化を予防し、シミやシワを防いで老化を遅らせます。

・材料(二人分)
ひじき(生) 100g
人参 30g
大根 100g
しょうが 1/2片
くるみ 10g
A ごま油 大さじ3
酢 大さじ1と1/2
しょうゆ、みりん 大さじ1/2
付け合せ レタス
・作り方
① ボウルにAを入れ、よく混ぜ合わせる。
② ひじきは水で洗って食べやすい長さに切り、熱湯にさっと通し、熱い内に①に漬ける。
③ 人参、大根、しょうがは細切りにする。
④ くるみは手で砕いておく。
⑤ ②に③、④を入れ、混ぜ合わせ、レタスをあしらい器に盛る。
牛ひき肉とひじきのピカタ
【管理栄養士のワンポイントアドバイス】
たんぱく質や脂質などを豊富に含む栄養価の高い牛肉に、炭水化物が豊富なじゃがいもを一緒に取ると、胃腸が強化され体力増強に有効な食べ合わせになります。鉄分を豊富に含むひじきをプラスして貧血予防効果を高めます。牛肉の水分代謝を調整する働きは、じゃがいものカリウムと一緒になり、むくみ緩和にも有効です。

・材料(二人分)
牛ひき肉 50g
じゃがいも 1/2個
ひじき(戻した物) 10g
塩、こしょう 適量
卵液 適量
ごま油 適量
A しょうゆ 大さじ1
酢 大さじ1と1/2
・作り方
①じゃがいもはやわらかくゆで、皮をむいてマッシュにする。
② ひじきはみじん切りにする。
③ ボウルに牛ひき肉、じゃがいも、ひじきを入れてよく混ぜ合わせ、塩・こしょうで味を調える。
④ ③を6等分にし、直径4~5cm、厚さ7~8mmの円形に形を整え、小麦粉をまぶす。
⑤ フライパンにごま油を熱し、溶いた卵に④をくぐらせ、弱火で両面を焼く。この作業を2~3回繰り返し、表面をフライ返しで軽く押さえ、両面をこんがりカリッと焼く。
⑥ 器に盛り、Aを添える。