2015年12月号 『寒い季節に多い心筋梗塞』
心筋梗塞の発症は冬場に多いことが知られています。暖かい室内と寒い室外、同じ室内でも寒い脱衣場と暖かい浴室などの温度差で血圧に大きな変動を生じ、心臓・血管に負担がかかるのが原因です。
日本での発症数は約7万人(2012年の調査)で、食生活の西洋化や人口の高齢化によって増加しています。最近の医学の進歩により急性心筋梗塞の死亡率は低下していますが、現在でも5〜10%と決してあなどれません。肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常がある人は、特に注意が必要です。
心筋梗塞とは
心臓の筋肉へ血液を送る血管にできたプラーク(コレステロールによる動脈硬化病巣)に血栓ができるとそこが詰まり、血流が途絶えます、酸欠と栄養不足から心臓の筋肉の一部が壊死する状態をいいます。
心筋梗塞の症状は
胸に鉛のかたまりをのせたような重苦しい強い痛みがあります。焼けつくように激しく、肩や背中、首などへ広がり、冷や汗や吐き気、呼吸困難を伴い、30分以上続くことがあります。
何らかの異常症状があったら、また、繰り返すことがあれば、その強弱に関わらず早く専門病院への相談・受診をおすすめします。
心筋梗塞の治療
急性心筋梗塞は、詰まった冠動脈をできるだけ速やかに再開通させる治療を行い、その後は安静・絶食、鎮痛薬、安定薬の投与、酸素吸入などが行われます。
急性期を乗り切った後は、再発を防ぐために薬物治療やライフスタイルの改善をします。すなわち禁煙に加えて、高脂血症・肥満の改善、糖尿病・高血圧のコントロールなどです。
今服用なさっている薬剤についてご不明なことがございましたら、お気軽にご相談ください。