2016年5月号 『お薬手帳』

4月の診療報酬の改定に伴いまして、薬局にお薬手帳をお持ちになるとお値段がお安くなります。
『お薬手帳』とは?
薬局や病院の受け付けで、「お薬手帳をお持ちですか?」とよく尋ねられると思いますが、そもそも『お薬手帳』とは何でしょう?
『お薬手帳』とは、患者さんが現在服用なさっているお薬を知るために必要なものです。
言い換えると、患者さん自身のお薬の履歴書のようなものです。

病院で処方されたお薬が記載してありますから、患者さんが薬の名前を覚えていなくても、別の病院へ行ったとき『お薬手帳』を見てもらうことで、今服用している薬と同じ効果の薬が処方されることはありませんし、薬の服み合わせを考慮して処方していただけます。
患者さんは安心して服用できるメリットがあります。
また万が一、副作用があったときは『お薬手帳』に書いておくことにより、その薬がふたたび処方されることを防ぐことができます。

・薬の重複やよくない飲み合わせを防止する。
・同じ薬による副作用の再発を防止する。
・服薬の記録により、安全に薬を使用できる。

『お薬手帳』はどこでももらえるの?
全国どちらの保険薬局でももらえます。
お手帳をお持ちでなければ薬剤師から「手帳をお作りしましょうか」と声がかかると思いますが、「手帳がほしい」と声をかけていただければ確実にご用意していただけます。

災害の備えに
この度の熊本地震で被害に遭われた皆様に、心よりお見舞い申し上げます。
今回は、東日本大震災の際に『お薬手帳』がとても役に立ったお話をさせていただきます。

皆さんはご自身が服用しているお薬の名前・規格を正確に言えますか?
災害時には、かかりつけの病院からデータや紹介状をもらえず、患者さん自身が治療内容や使っている薬を伝えることになります。
医師はその患者さんが何の病気でどのような状態でどの薬が必要か?カルテもありませんので全く分かりません。
ちょっとした量の違いで症状がコントロールできない患者さんもたくさんおります。
その時に、お薬手帳が大変重宝しました。
飲んでいる薬の名前・規格・期間・副作用・薬のアレルギー等の情報がすべて記載されていたからです。
手帳がない方は診察を受け、今までとは違う薬を飲んでいただき数日間様子を見てもらうのに対して、手帳をお持ちの方は今までと同じ薬・または同じような薬をすぐに貰えたそうです。
緊急時に手帳を持つことまでは気が回らないと思います。
是非、非常用の荷物にお薬手帳を1冊ご用意していただき定期的にシールを貼っていただくことをお勧めします。
(いつも利用していただいている手帳を持っていければそれがベストですが)

処方せんを薬局にお持ちいただくときは、『お薬手帳』を忘れずにお持ちください。