2016年10月号『秋の夜長・・・睡眠不足はつらい・・・』

秋の夜長・・・睡眠不足はつらい・・・!!

9月以降、雨の日が続いていますね。
湿度も高く、寝苦しい夜は続いていることと思います。
更に、秋の夜長・・・寝つきが悪い人や、途中で目が覚めてしまう人にとっては
つらい季節なのかもしれません。

睡眠の障害は大きく4つに分類されます。

  • 入眠障害・・・なかなか寝付けない、寝つきが悪い。
  • 中途覚醒・・・入眠できても、夜中に目が覚めてしまう。さらにそこから寝付けない。
  • 早朝覚醒・・・朝早く、まだ起きる時間ではないのに目が覚めてしまう。
  • 熟眠障害・・・ぐっすり眠れた感じがしない

この4つの症状は1つだけではなく、組み合わさって起きることもあります。

睡眠を手助けしてくれるお薬には、その作用時間の長さによって分類されます。

(お薬は成分名で表記しております。カッコ内は主な商品名です。)

  • 超短時間型  ゾルピデム(マイスリー)・ゾピクロン(アモバン)・トリアゾラム(ハルシオン)
  • 短時間型   ブロチゾラム(レンドルミン)・ロルメタザパム(エバミール)・リルマザホン(リスミー)
  • 中時間型   フルニトラゼパム(ロヒプノール)・ニトラゼパム(ベンザリン)・エスタゾラム(ユーロジン)
  • 長時間型   クアゼパム(ドラール)など

これらの作用時間に合わせて、睡眠障害の程度、内容により、お薬が選択されます。

超短時間型・短時間型を選択される方
  寝つきがわるいが、寝てしまえば朝まで眠れる。
  毎日ではないけれど、一過性に不眠になる(旅行先、その日の生活状況によって)
 これらの薬は、効果が短い分、朝の目覚めや、日中に影響しにくいという特徴があります。

 中時間・長時間型を選択される方
  寝ても途中で目が覚めてしまう、一度目が覚めるとなかなかねつけない
  ぐっすり眠れない、寝た気がしない。
 これらの薬は、短時間型を使っても朝方に目が覚めてしまう方などはこちらを選択されることがありますが、効果が長い分、起きるのがつらい、日中ぼーっとしてしまう方もいるようです。」

また、新しい機序の睡眠薬も開発され、処方せん医薬品として登場しています。

ラメルテオン(ロゼレム)
メラトニン受容体作動薬とよばれ、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンと同じような働きをして、眠気を作り出します。

 スボレキサント(ベルソムラ)
  覚醒システムを活性化しているオレキシンの作用を弱めることで、覚醒と睡眠のシーソーが睡眠側に傾き、眠気が強くなります。

まずは、ご自身の睡眠状況を理解し、医師と相談して、適切な薬を選んでもらいましょう。
お薬は効果がある反面、長期間服用後に、眠れるようになったからと言って、自分の判断で中断してしまうと、逆に不眠が悪化したり、不安症状が出てしまうこともあります。必ず医師と相談しながら徐々に薬の量を減らすようにしましょう。

また、睡眠の質を高めるには、薬だけではなく、生活習慣を改善することで効果が上がります。
以下の内容を参考にしてみてください。

睡眠衛生のための指導内容
日本睡眠学会 「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」より抜粋

●定期的な運動
なるべく定期的に運動しましょう。適度度な有酸素運動をすれば寝つきやすくなり、睡眠が深くなるでしょう。

●寝室環境
快適な就床環境のもとでは、夜中の目覚めは減るでしょう。音対策のためにじゅうたんを敷く、ドアをきっちり閉める、遮光カーテンを用いるなどの対策も手助けとなります。寝室を快適な温度に保ちましょう。暑すぎたり寒すぎたりすれば、睡眠の妨げとなります。
●規則正しい食生活
規則正しい食生活をして、空腹のまま寝ないようにしましょう。空腹で寝ると睡眠は妨げられます。睡眠前に軽食(特に炭水化物)をとると睡眠の助けになることがあります。 脂っこいものや胃もたれする食べ物を就寝前に摂るのは避けましょう。

●就寝前の水分
就寝前に水分を取りすぎないようにしましょう。夜中のトイレ回数が減ります。脳梗塞や狭心症など血液循環に問題のある方は主治医の指示に従ってください。

●就寝前のカフェイン
就寝の4時間前からはカフェインの入ったものは摂らないようにしましょう。カフェインの入った飲料や食べ物(例:日本茶、コーヒー、紅茶、コーラ、チョコレートなど) をとると、寝つきにくくなったり、夜中に目が覚めやすくなったり、睡眠が浅くなったりします。

●就寝前のお酒
眠るための飲酒は逆効果です。アルコールを飲むと一時的に寝つきが良くなりますが、 徐々に効果は弱まり、夜中に目が覚めやすくなります。深い眠りも減ってしまいます。

●就寝前の喫煙
夜は喫煙を避けましょう。ニコチンには精神刺激作用があります。

●寝床での考え事
昼間の悩みを寝床に持っていかないようにしましょう。自分の問題に取り組んだり、翌日の行動について計画したりするのは、翌日にしましょう。心配した状態では、寝つくのが難しくなるし、寝ても浅い眠りになってしまいます。

睡眠、お薬に関するご相談は、お気軽に、当薬局薬剤師までご相談ください。