2017年1月号『屠蘇(とそ)』

  屠蘇(とそ)

 
屠蘇(とそ)

屠蘇(とそ)または、お屠蘇(おとそ)とは、一年間の邪気を払い長寿を願って正月に呑む縁起物の酒であり風習です。

年の初めにお酒を飲んで、うきうきとした正月の気分をあらわす言葉に、「おとそきぶん」という言葉があるように、日本には元旦の朝、家族一同がそろって屠蘇酒を飲む風習があります。
1年間の長寿健康を祈願する慣わしです。数種類の生薬を調合した屠蘇散(屠蘇延命散)を、清酒やみりんに一晩漬け込むお祝いのお酒です。

〈お屠蘇とは〉
屠蘇は、通常、屠蘇器(とそき)と呼ばれる酒器揃えによって供されます。屠蘇器は、屠蘇散と日本酒・味醂を入れる銚子(ちょうし)、屠蘇を注ぐ、重ねた盃をのせる盃台、これらを載せるからなります。屠蘇器には、漆器製、陶磁器製、ガラス製など様々な種類があります。
小・中・大の三種の盃を用いて飲みますが、「一人これを呑めば一家病無く、一家これを呑めば一里病無し」と言われ、日本の正月の膳などに呑まれます。
元日の朝、年少の者から年長の者への順に頂きます。

〈屠蘇散とは〉
屠蘇散の処方は『本草綱目』では赤朮桂心防風抜契大黄鳥頭赤小豆を挙げています。現在では山椒細辛防風肉桂乾薑白朮桔梗を用いるのが一般的です。人により、健胃の効能があり、初期の風邪にも効くといいます。時代、地域などによって処方は異なります。
漢方薬と同様、ある人物の胃弱や風邪に効いたといっても、他者にあてはめるのは危険です。白朮ひとつとっても、むくむほど水分滞留体質の人には良いですが、水分不足体質や水分代謝機能の高い体質の人が飲むと、炎症悪化や血行不良等につながる恐れがあります。生薬や屠蘇散の処方に関する専門知識を有する者に、飲用の是非を尋ねてください。

★お屠蘇レシピ★

○レシピ
・屠蘇散→1パック
・本みりん→180cc
・日本酒→360cc

○レシピ

・屠蘇散→1パック

・本みりん→180cc

・日本酒→360cc

○作り方

  1. 急須で屠蘇散を入れる。
  2. 1に日本酒を入れる。
  3. 2に本みりんを注ぎ、混ぜ合わせる。
     一晩エキスを浸出させる。
  4. 完成!!

※屠蘇散は、パックでデパートなどに、あるそうです。