2017年7月号『なんで食事する直前なの?』
「食直前」の薬って何があるの?
主に、糖尿病において、「食直前」のお薬には、こちらの2つのお薬があります。
- α-グルコシダーゼ阻害薬
お薬としては、ベイスン®[ボグリボース]、グルコバイ®[アカルボース]、セイブル®[ミグリトール]等がある他、関連するジェネリック医薬品があります。
これらのお薬は、摂取した食事に含まれる糖分の消化吸収を遅らせ、食後の血糖の上昇を抑える効果があります。そのため、食べ物より先に、お薬が消化管内に入っていないと効果がでません。それゆえ、食直前に服用することが必須になります。 - 速攻型インスリン分泌促進薬
お薬としては、スターシス®[ナテグリニド]、ファスティック®[ナテグリニド]、グルファスト®[ミチグリニド]等があります。他、関連するジェネリック医薬品があります。
これらのお薬は、膵臓に作用してインスリンの分泌を促進し、食後の血糖値を下げる効果があります。
薬の効果発現がとても速く、持続時間が非常に短いことが特徴です。そのため、食事の30分前に飲んだり、食後に飲んでしまったりすると、お薬の効果が発現し、血糖が下がりすぎた状態(低血糖)を起こす可能性があります。低血糖を引き起こさないためにも、食直前に服用することが必須になります。
ここでは深く説明しませんが、糖尿病のお薬では、他に、超速効型のインスリン製剤、又は超速効型インスリン製剤を含む混合インスリン製剤も、「食直前」に該当します。
じゃあ飲み忘れたらどうしたらいいの?
- α-グルコシダーゼ阻害薬
食事中に飲み忘れに気づいたら、すぐに服用してください。食後に気づいた場合は、その回の服用は避けましょう。 - 速攻型インスリン分泌促進薬
食事開始後に気づいたら、その回の服用は避けましょう。低血糖になる恐れがあります。