2018年5月号『偏頭痛について』

片頭痛について

日本では、4人に1人が「頭痛持ち」といわれ、「片頭痛」は繰り返し起こる頭痛のなかでも日常生活に支障が大きいと言われています。 片頭痛は、血管が拡張することでズキズキとした拍動性の痛みが生じます。主にこめかみから目のあたりが発作的に痛み、痛みの発作は4時間~数日間続きます。片側に現れることが多いですが、両側から痛むこともあり、痛みが起きると、光や音、においに敏感になるのが特徴です。

日本では、4人に1人が「頭痛持ち」といわれ、「片頭痛」は繰り返し起こる頭痛のなかでも日常生活に支障が大きいと言われています。
片頭痛は、血管が拡張することでズキズキとした拍動性の痛みが生じます。主にこめかみから目のあたりが発作的に痛み、痛みの発作は4時間~数日間続きます。片側に現れることが多いですが、両側から痛むこともあり、痛みが起きると、光や音、においに敏感になるのが特徴です。

●分類
「前兆のない片頭痛」と「前兆のある片頭痛」の2タイプに分けられ、前兆のある人は20~30%といわれています。
前兆のある片頭痛では、目の前にチカチカと光るフラッシュのようなものがあらわれ、視野の片側、または中心部が見えにくくなる閃輝暗点(せんきあんてん)を生じることが多いです。また、感覚が鈍くなる感覚異常、言葉が話しにくくなる失語性言語障害がみられる場合もあります。このような前兆の多くは15~30分で消失し、続いて頭痛が始まります。

●誘因
片頭痛は特に30代女性に多く、5人に1人は片頭痛持ちと言われています。初潮を迎える年代を過ぎると片頭痛になる女性が男性をはるかに上回るようになること、生理前から生理中にかけて痛みに悩まされるケースが多いこと、妊娠6ヶ月から頭痛が起こらなくなり、出産後にまた発症することなどから、女性ホルモンの変動が関係していると考えられています。
他には、ストレスや肩こりが引き金になりますが、ストレスから解放されてほっとする時に痛みが強まることもあります。また、タバコやアルコール、寝不足、寝すぎ、疲労、空腹、気圧の変動、片頭痛を誘発する食品(チーズやワインなど)などによっても、片頭痛が起こることが知られています。

●薬物療法
薬物療法が中心となり、現在、発作を抑えるお薬と発作の再発を予防するお薬の二種類があります。

☆発作を抑えるお薬(頭痛発作時)
スマトリプタン(イミグラン)、ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン(レルパックス)、リザトリプタン(マクサルト)、ナラトリプタン(アマージ)

☆発作の再発を予防するお薬(毎日内服)
アミトリプチリン塩酸塩(トリプタノール)、β遮断薬のプロプラノロール(インデラル)、バルプロ酸(セレニカ・デパケン)、カルシウム拮抗薬のロメジリン(ミグシス・テラナス)

片頭痛は、いったん治まると痛みはウソのように消えてしまい、ふだんは何の症状もありません。そのため、痛み出したときだけ市販の鎮痛薬を飲んで、我慢してしまう人も少なくありません。市販薬でうまくコントロールできていれば問題ありませんが、痛みが頻回、市販薬が効かない、毎日のように鎮痛薬を服用している、寝込んでしまうなど、日常生活に支障がある場合は、自己対処がかえって頭痛をこじらせてしまうこともあります。自己判断で対処せず、早めに医師に相談するようにしましょう。
●最後に・・・腹部片頭痛って??
近年、特に思い当たることがないのに、子どもが頻繁に腹痛を訴える病気「腹部片頭痛」が注目されています。これは、「小児良性発作性めまい」と、「周期性嘔吐症」とを合わせて「片頭痛に関連する周期性症候群」に分類されています。
この3つの病気は、おなかや頭などそれぞれ症状が出る場所は違いますが、『同じ発作を繰り返す』、『突然始まり突然終わる』、『大人になって片頭痛になるケースが多い』などの共通点を持っています。

腹部片頭痛は他の腹痛と比べ、長時間続くとても強い腹痛を繰り返し、発作のない時は普段の元気な状態に戻る点です。腹部片頭痛は、まだまだ認知度が低い病気ではありますが、きちんとした診断や説明を受け、悪い病気ではないことを理解すると、それだけで安心して症状が軽くなったり消失したりすることがあります。不安のままで過ごさず、改めて子どもの症状を見直して、正しい対応法を行うことをおすすめします。

腹部片頭痛は他の腹痛と比べ、長時間続くとても強い腹痛を繰り返し、発作のない時は普段の元気な状態に戻る点です。腹部片頭痛は、まだまだ認知度が低い病気ではありますが、きちんとした診断や説明を受け、悪い病気ではないことを理解すると、それだけで安心して症状が軽くなったり消失したりすることがあります。不安のままで過ごさず、改めて子どもの症状を見直して、正しい対応法を行うことをおすすめします。