2018年6月号『薬剤耐性菌を拡げないために』

薬剤耐性菌を拡げないために

●薬剤耐性に対する取り組み 近年、抗生物質が効かない薬剤耐性をもつ細菌が世界中で増えています。抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えると、これまでは適切に治療をすればよかった感染症の治療が難しくなってしまいます。重症化しやすくなり、死に至る可能性が高まります。

●薬剤耐性に対する取り組み
近年、抗生物質が効かない薬剤耐性をもつ細菌が世界中で増えています。抗生物質が効かない薬剤耐性菌が増えると、これまでは適切に治療をすればよかった感染症の治療が難しくなってしまいます。重症化しやすくなり、死に至る可能性が高まります。

加えて新しい抗生物質の開発は進んでおらず、薬剤耐性菌による感染症の治療はますます難しくなってきています。このような状況を踏まえて、WHO(世界保健機関)では、2015年5月に「薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プラン」が採択され、加盟国である日本では、2016年4月に「薬剤耐性対策アクションプラン 2016-2020」が取りまとめられました。 このアクションプランでは、薬剤耐性の発生を遅らせ、拡大を防ぐために、2016年からの5年間で取り組んでいくこととされています。

そして、今年4月厚生労働省は、抗生物質の誤った使い方によって耐性菌の広がりを抑えるため、医師に、乳幼児の風邪や下痢に抗生物質を使わずに適切な説明をしてもらうよう取り組みが始まりました。

  • 薬剤耐性を増やさないためにみんなができること

①風邪には抗生物質は効きません

風邪の原因はウイルスであり、細菌ではないのです。ウイルスによって起こる風邪には、抗生物質を飲んでも意味がないのです。風邪の症状はいずれも、体がウイルスと戦っているサインです。風邪を治すのは自身の免疫力です。医師が処方したり、薬局で売られている風邪薬は、風邪のつらい症状を和らげるためのもので、原因のウイルスをやっつける薬ではないのです。

処方された薬は医師の指示通りに飲みましょう

抗生物質は、細菌と戦う薬で、細菌による感染症に処方されます。細菌にはいろいろな種類があり、それぞれの細菌に必要な抗生物質は異なるのです。そしてその飲み方もさまざまです。必要な量を必要な回数、必要な期間、きちんと飲まなければ十分な効果を期待できません。処方された飲み方を守ることは、病気を確実に治すため、抗生物質による副作用を減らすため、とても重要です。不適切、不十分な飲み方をすると、抗生物質が効かない薬剤耐性菌が生まれてしまうことがあります。

また、抗生物質は各患者様に合わせて処方されています。処方された抗生物質をとっておいて後で飲んだり、他の人に処方された抗生物質をもらって飲んだりしてはいけません。

 ③基本的な感染対策をしましょう

・手洗いをしましょう

私たちが感染する病原体(細菌やウイルス)の多くは、まずは私たちの手に付着します。その手で鼻や口などに触れると、その病原体が体内に侵入し、感染が成立します。また、私たちが病原体のついた手でさまざまなものに触れ、周りの人がそれらに触れることで、感染が拡がってしまいます。

私たちが感染する病原体(細菌やウイルス)の多くは、まずは私たちの手に付着します。その手で鼻や口などに触れると、その病原体が体内に侵入し、感染が成立します。また、私たちが病原体のついた手でさまざまなものに触れ、周りの人がそれらに触れることで、感染が拡がってしまいます。

・ワクチン接種をしましょう感染症にはワクチンで予防できるものがたくさんあります。例えば、ワクチンで予防できる細菌感染症には、肺炎球菌感染症、インフルエンザ桿菌(Hib)感染症、破傷風、百日咳などがあります。これらの感染症のワクチンは、いずれも小児の定期接種対象になっています。また、小児期のワクチン接種が十分でない場合、大人になってからでも、足りない分を補うことも大切です。ワクチン接種歴を母子手帳などでもう一度確認しましょう。 【参照】http://amr.ncgm.go.jp/general/

・ワクチン接種をしましょう

感染症にはワクチンで予防できるものがたくさんあります。例えば、ワクチンで予防できる細菌感染症には、肺炎球菌感染症、インフルエンザ桿菌(Hib)感染症、破傷風、百日咳などがあります。これらの感染症のワクチンは、いずれも小児の定期接種対象になっています。また、小児期のワクチン接種が十分でない場合、大人になってからでも、足りない分を補うことも大切です。ワクチン接種歴を母子手帳などでもう一度確認しましょう。

 【参照】http://amr.ncgm.go.jp/general/