2018年7月号『シックデイの対処法』
シックデイの対処法
- シックデイでは血糖値が上がりやすくなる??
私たちの体は病気になると、さまざまなストレスホルモンが分泌されます。これらの多くが、血糖を下げるインスリンの働きを抑えてしまうため高血糖になりやすく、もともとインスリンが不足している糖尿病の方では血糖値がさら上昇します。このように高血糖の状態になると、体の抵抗力が落ち、病気の回復が遅れたり、別の病気に感染しやすくなって病気が長引いてしまいます。そのため、きちんとした対処法を身につけておかないと、病気が一気に悪化し、高血糖状態に陥り昏睡を起こし、命にかかわることがあります。
反対に、食事がとれないため、いつもと同じ薬の量で治療をしていると低血糖を起こしてしまうこともあります。
③病状をこまめにチェックする(血糖自己測定は3~4時間ごと)
④食事ができなくても、自己判断でインスリン注射を中止しない
以下はシックデイの時の薬の飲み方です。あくまでも目安であり、個々の病院によって対応は異なりますので、自分はどうすべきか主治医の先生に確認しておきましょう!!
【飲み薬】
インスリン分泌促進薬(グリメピリド、グリクラジド、グリベンクラミド、ナテグリニド、ミチグリニド等)⇒食事が1/2程度の時は半量、1/3以下の時は服用中止
α―グルコシダーゼ阻害薬(ボグリボース、アカルボース、ミグリトール)⇒服用中止
ビグアナイド薬(メトホルミン等)⇒服用中止
チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)⇒食事量が1/2以下のときは服用中止
DPP-4阻害薬(シダグリプチン、ビルダグリプチン、リナグリプチン、テネリグリプチン等)⇒食事が1/2以下のときは服用中止
SGLT-2阻害薬(イプラグリフロジン、ダバグリフロジン、ルセオグリフロジン等)⇒服用中止
【インスリン注射】
こまめに血糖測定を行い、食事量を考慮しながら、インスリン量を調節していきます。食事が摂れなくても、中間型または持効型インスリンを打っている場合は、減らさないで継続してください。
⑤早めに主治医と連絡を取るようにする
緊急の場合、かかりつけ医にかかれないときもあるので、お薬手帳と糖尿病手帳を必ず持ち歩くようにしましょう。
特に以下の場合は迷わず受診してください。
・高い熱が続くとき
・高い血糖値が続くとき(350mg/dL以上)
・下痢や嘔吐などの消化器症状が強いとき
・まったく食事が摂れない、もしくは著しく少ないとき
・インスリン注射や飲み薬の量で自己判断ができないとき
参照:テルモ 糖尿病ガイドシリーズ