2018年8月号『Check! CKDシールについて』
『Check! CKD』シールについて
静岡市内の医師会と薬剤師会、腎臓内科医らでつくる『静岡腎疾患病診連携の会』は今年の7月から、お薬手帳を利用して患者の腎機能情報を共有する取り組みを始めました。腎臓の働きを示す値に応じて手帳に『Check!CKD』シールを貼り、適切な薬の処方や診察に役立てる目的です。

- CKDとは
慢性腎臓病(Choronic Kidney Disease)の略です。
CKDは腎機能の低下もしくは蛋白尿が3か月以上持続して認められるものをいいますが、
日本国民の約8人に1人がCKDとされています。
CKDの方は、そうでない方よりも将来的に透析治療が必要となることが多いばかりでなく、
脳梗塞や心筋梗塞といった重篤な疾患を起こす危険も高まることが分かっております。
『腎臓の病気』としてではなく、心血管系疾患への関連を有する『全身性の疾患』としてとらえる新しい概念がCKDです。
CKDは、早期には検査の異常のみで、自覚症状を認めません。

そのため、定期検診や他の病気の血液検査や尿検査をしたときに発見されることが多いので、
この結果を軽視しないことが大切です。
また、CKDは、腎機能の低下により薬の種類・量が原因で病状が悪化したり、
薬の副作用が発現することが多い疾患です。
そのため、腎機能を知ることはとても大切なことです。
- eGFRとは
腎臓は体に不要な老廃物や、余分な水分を尿として体外に排泄してくれる臓器です。腎臓に100万個以上ある糸球体というものが、血液をろ過して尿のもとを作っています。腎機能を調べるには、糸球体でどのくらいろ過されたかを見ることが必要であり、それがeGFR(推算糸球体ろ過量)です。
- 薬剤師からのお願い
患者様が薬局に持参した検査結果のeGFRを基に、腎機能の低下が認められた場合、薬剤師が程度に応じて緑色と紫色のシールを手帳に貼ります。シールを目印にその都度、処方内容が適しているかを確認します。

①減量して処方すれば比較的安全な薬
②減量して処方してもリスクのある薬
③絶対飲んではいけない薬
に注意して、処方を監査し、必要時に処方医に薬の減量や代替処方などの提案を行います。
地域の皆様たちの健康を守るためにも、CKDの重症化を予防していきたいと思います。是非、血液検査をされた場合は薬局に結果表とお薬手帳を持参していただきますよう、ご協力お願いいたします!