自律神経の調節の乱れによって起こります。小中学生で多く見られ、春から初夏にかけて症状が現れやすく、遅刻や不登校の原因になると言われています。寝不足や怠け者などと誤解されがちで、周囲の理解が必要です。
通常、自律神経の活動は、早朝になると交感神経が活動し体を活性化させ、夜になると副交感神経が活動し体を休養させます。しかし、起立性調節障害では午前中に交感神経が活性化せず、5-6時間ほど後ろにずれ込むため、朝が起きられず夜が寝られない症状が起こります。また、通常、横になったり、座ったりした状態から立ち上がると、重力により血液は下半身に下がりますが、健康であれば、下がった血液は交感神経の働きですぐに心臓に戻ります。しかし、自律神経の調節が乱れている起立性調節障害の場合は、下半身に血液がたまってしまい、心臓へもどってくる血液が減少します。そのため、脳への血流も減少し、頭痛や立ち眩みなどの症状が現れます。