2019年5月号『ビスホスネート製剤について』
歯科治療を受ける際に、必ず服用している事をお伝えして頂きたい薬がいくつかありますが、そのうちの一つであるビスホスホネート製剤についてご紹介致します。
ビスホスホネート製剤とは?
骨粗鬆症、悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症や骨転移の治療に用いられる薬で、通常、骨粗鬆症治療には内服薬が、悪性腫瘍については注射剤が用いられます。
顎骨壊死が問題!
下顎骨に2/3、上顎骨に1/3の割合で発症すると言われており、進行すると難治で、疼痛や感染が増悪し、外歯瘻や病的骨折を起こすとされています。
抜歯、インプラントの埋入、歯根端切除術、骨への侵襲を伴う歯周外科治療などの処置に限らず、口腔内の観察処置全てが、顎骨壊死の危険因子となり得ると報告されていますが、さらにビスホスホネート系製剤の使用経験がある方は発現頻度が増大します。