2020年6月号 新型コロナウィルス対策で注目!
次亜塩素酸水の除菌効果 アルコール消毒液との違い
アルコールは消毒や殺菌、食品の除菌等に広く使われています。しかし、このコロナウィルスの流行で、現在、消毒用のアルコールはどこも入手困難となっています。店頭でも売り切れの状態を良く目にしますね。
そのアルコールに代わって、最近注目されているのが、次亜塩素酸水です。テレビやネットのニュースで目にした方も多いかと思います。
今回は、この次亜塩素酸水とアルコール消毒液のそれぞれの特徴や違いについてお伝えします。
アルコール消毒液
消毒や殺菌に使われるアルコールの主成分はエタノールです。
エタノールは濃度70%で殺菌効果が効率よく得られることが知られています。
エタノールの濃度は、高ければ効果があるというわけではなく、80%以上になると、菌の死滅する時間が逆に長くなります。
次亜塩素酸水
アルコール消毒液が品薄となっている現在、スーパーやドラッグストアの入口に消毒用として良くおいてあるのが、次亜塩素酸水です。
殺菌成分は「次亜塩素酸」です。よく似た名前の物に、「次亜塩素酸ナトリウム液」(ハイターを薄めたもの)等がありますが、主成分は同じであるものの、性質に違いがあります。
次亜塩素酸水は、塩酸や食塩水を電気分解して生成されるものです。弱酸性であるため、皮膚や物にダメージを与えることがなく、安全に使え、効果も高い除菌剤として注目を集めています。「次亜塩素酸ナトリウム液」は皮膚に使用しないでください。
アルコール消毒液と次亜塩素酸水の違い
アルコール消毒液は、タンパク質を壊す性質があるため、使いすぎると、手荒れ肌荒れの原因になります。
一方、次亜塩素酸水は、皮膚と同じ弱酸性であるため、安全に使用出来ます。
②使用期限・保管のちがい
アルコール消毒液は、未開封だとおよそ3年程度は有効です。引火性があるため、火のそばでの保管は危険です。
次亜塩素酸水は、未開封でも3か月~6か月程度と、有効期間が短めです。紫外線にあたることで劣化が早まることも知られているため、遮光性の容器できちんと保管する必要があります。
③ノロウィルスへの効果
アルコールは、様々な菌に対して有効ですが、ノロウィルスに対する効果はやや弱いことが知られています。一方、次亜塩素酸水は、ノロウィルスに対して効果があることが報告されています。