2020年7月号 糖尿病と免疫力低下
糖尿病と免疫力低下
糖尿病の人は、免疫力低下により感染症にかかりやすいことが知られています。
今回の新型コロナを巡っては、重症化するリスクとして、心疾患や呼吸器疾患に加えて、糖尿病もその一つである可能性があるといわれています。当初の症状が軽微であっても、これら基礎疾患がある場合には肺炎への進行が起こる可能性があるのです。
●感染症の発見を遅れさせてしまう!?
糖尿病の合併症のひとつである糖尿病性神経傷害により感覚鈍麻となり、感染症に気付くのが遅れ、その間に病気が進行してしまいます。
特に歯周病は、3大合併症、足病変、動脈硬化性疾患に次いで糖尿病第6の合併症とも言われ、歯周病があるとより血糖コントロールが不良になり、逆に歯周病が改善することで血糖コントロールが改善することがあります。
糖尿病の人が病気になると、血糖値を上げるアドレナリンなどのストレスホルモンやサイトカインが分泌されます。糖尿病でない人は、その分泌にあわせてインスリンも多く分泌されますが、糖尿病の人はインスリンの追加分泌ができないため、血糖値がいつもより上昇してきます。
このようなことから、糖尿病の人は感染症に弱いことを十分に認識し、手洗いをしっかり行い、血糖値を適性にコントロールする事が大切です!