ジフェンヒドラミンというお薬は、もとは抗ヒスタミン剤(風邪薬、鼻炎治療剤)の古いお薬ですが、副作用と
して眠気が知られていました。風邪薬を飲むと眠くなる、と広く言われるほど眠気の副作用は有名で、風邪の患者
さまからは嫌われていました。この作用を主作用にした睡眠改善剤として「寝つきが悪い」、
「眠りが浅い」といった不眠症状を緩和する薬として販売されています。
ある種の狭心症治療薬は、血管を広げる目的で開発されましたが、
あまり効果がなかったので治験を中止しました。しかし、あまった治験薬を返却したがら
ない治験者さまがいて、その理由を確認したところ勃起不全が解消されたことがわかり、
現在ではバイアグラとして販売されています。
今回はお薬の変わった誕生ストーリーをいくつか挙げました。いずれにせよ、お薬には
決まった症状にだけ効くというものはないようです。お薬の服用には十分気を付ける必要
がある一方で、今あるお薬がほかの目的でつかわれるようになることがあるかもしれませ
んね。