2021年11月号 野菜ジュースは野菜を食べる代わりになる?
野菜ジュースは野菜を食べる代わりになる?
スーパーの売り場には、様々な種類の野菜ジュースが売られています。フルーツをミックスして味が調整され、甘く飲みやすくなっている商品も多くあります。
厚生労働省が「健康日本21」において目標とする野菜の1日の摂取目標量は350g。生野菜なら両手いっぱいで120gですので、1日に3杯分です。350gの内訳は、緑黄色野菜を120gと淡色野菜を230g以上です。
しかし、「国民健康・栄養調査(2019)」の野菜摂取量の平均値は280.5g。男女ともに20~40代で少なく、60歳以上で多い傾向があります。
健康のために、野菜ジュースで不足分の栄養を補いたいと考える方も多いのではないでしょうか。
野菜ジュースは野菜を食べる代わりになるのか?考えていきたいと思います。
生野菜サラダ野菜ジュースの栄養量の違い
生野菜サラダ(100g中) | 野菜ジュース(100g中) | |
エネルギー | 16kcal | 36.5kcal |
炭水化物 | 3.68g | 8.0g(糖類5.4g) |
ビタミンA | 25㎍ | 281~787㎍ |
ビタミンC | 9.45mg | 30~77mg |
カリウム | 203.23mg | 322.5mg |
食物繊維 総量 | 1.16g | 0.35~1.5g |
搾汁したり加熱処理すると、ビタミンCや食物繊維など減少する成分があります。しかし、加熱しても減少しにくい栄養素もあります。それはカルシウムやカリウムなどのミネラルや、野菜の色素カロテノイドなどです。


野菜からでないと摂れない栄養素
腸を刺激してお腹の調子を整えたり、便のかさを増やす役割をしている不溶性食物繊維は、野菜ジュースを製造する過程で野菜や果実を絞り出す過程で搾りかすとして捨てられてしまいます。不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の両方が摂れるのは、やはり野菜なのです。
よく噛むことで満腹感・満足感も得られてカロリーも低いです。食事の最初に野菜を食べることで糖質や脂質の吸収を穏やかにする効果もあります。
野菜ジュースは野菜の代用になるとは言えません
野菜に含まれる栄養素や食事の満足感を考えると、野菜ジュースは完璧に野菜の代わりになるとは言えません。
目標の1日350gの野菜を上手に摂るコツをお伝えします。
〇1日3回にわけてとりましょう。
〇茹でる、炒めるなど加熱するとかさが減って量を多く摂れます。
〇色々な種類を組み合わせてとりましょう。
《野菜ジュースの選び方》食が細くなっている方や野菜が摂れない時などに。
・野菜汁・果汁100%のもの
・砂糖・食塩や甘味料が使われていないもの
・糖質が高くないもの を選ぶようにしましょう



野菜たっぷり!蒸し野菜とチキンのトマトソースかけ(調理時間:20分)

〈栄養量(1人分)〉
エネルギー:340kcal、たんぱく質:21.2g、
食物繊維:4.0g、食塩相当量:1.5g
野菜
170g(1日の目標量350gの1/2が摂れる!
材料(2人分) | 分量 |
【材料A】 | |
じゃがいも | 160g |
たまねぎ | 60g |
キャベツ | 60g |
しめじ | 50g |
人参 | 20g |
鶏もも肉 | 160g |
酒 | 小さじ2(10g) |
トマト缶 | 120g |
塩 | 小さじ1/3(2g) |
黒こしょう | 少々 |
スライスチーズ | 2枚(36g) |
乾燥パセリ | 適量 |
【作り方】
1. じゃがいも、たまねぎ、キャベツを一口大に切る。しめじはほぐしておく。人参は短冊切りにする。
2. 耐熱容器に、材料Aを敷き詰め、鶏もも肉を乗せて、酒をかけてラップをし、電子レンジ500Wで8分ほど加熱する。
3. 鍋にトマトを入れて中火にかけ、塩・こしょうをして味付けする。
4. 2に火が通ったら、スライスチーズをさいて乗せ、再度ラップをして3分ほど蒸らす。
5. 3のソースをかけ、粉パセリを散らす。
《レシピのポイント》
1. 野菜を加熱することでかさが減り、たくさん摂ることができます
2. トマトは加工することでリコピンの吸収UP!トマト缶がおすすめです
参照HP「そられぴ」https://recipe.shidax.co.jp/
