2021年11月号 風邪を治す薬はない?

風邪を治す薬はない?

朝晩だいぶ冷え込むようになり、風邪症状で来局される方もちらほら見られるようになりました。
そこで、風邪を治すお薬をご紹介したいのですが・・・

風邪の正体

ウイルスが鼻やのどに侵入し、くしゃみや鼻水、のどの痛み、せき、たん
といった症状を引き起こすのが風邪なのです。
ウイルスとは細菌の50分の1程度の大きさで、とても小さく、自分で
細胞を持ちません。他の細胞に入り込んで生きていきます。ヒトの体に
ウイルスが侵入すると、ヒトの細胞の中に入って自分のコピーを作らせ、細胞が破裂してたくさんの
ウイルスが飛び出し、ほかの細胞に入りこみます。このようにして、ウイルスは増殖していきます。

風邪を治すお薬

ウイルスをやっつける、ということはウイルスが侵入した自分の細胞をやっつけることになってしまうため、ウイルス感染には特効薬はありません。つまり、世界中どこを探しても
ウイルスが原因の風邪を治すお薬は存在しません!!
だから自分の免疫の力で治すしか方法はありません。

風邪の症状(自分の免疫が引き起こす症状)

  • 発熱 体温が高いとウイルスは元気よく増殖しません。つまり、体温が上がった方が、体内で(自力で)ウイルスをやっつける力が強くなります。
    風邪をひいて発熱するのは、風邪の原因である体内のウイルスをやっつけるためなのです。
  • せき、たん、鼻水 鼻や口から吸い込んだウイルスは、当然体の外に出した方がよいです。
    つまり、せき、たん、鼻水を出すことで悪いものを外に出しているのです。

風邪の治し方

風邪を早く治す一番の方法を強引な言い方で説明すると、仕事などはせず安静にして、解熱剤は使わず熱をどんどん出してウイルスをやっつける。
またせき止めは使わず、治るまでどんどんせきを出して悪いものを外に出す。
そうすれば体力は消耗するけれども早く治ります。
ただし、これは体力がある人でないと危険です!!
では風邪はどうやって治せばよいのでしょう?

症状を和らげる薬を飲んで体調を整えながら、
自分の免疫の力で治していきます。

(お薬については次号でお話しします)