2022年5月号 酒は百薬の長?悪魔の水?(アルコールと体)

酒は百薬の長?悪魔の水?

GW明け、急に暑くなりました。蔓延防止措置も軽減され、巷では「とりあえず〇〇〇」の声がよく聞かれるようになりました。
そこで、アルコール(お酒)による「酔い」について特集してみました。

◎アルコールの体への影響
アルコールの体への影響は多彩です。アルコールは脂肪と結びつきやすく、脂肪組織の多い脳や中枢神経に対する影響が大きく、基本的に抑制の作用があります。

①爽快期(爽快感)
 さわやかな気分になる 顔が赤くなり陽気になる 判断力が少し鈍る

②ほろ酔い期(ほろ酔い状態)
手の動きが活発になる 抑制ができなくなる 体温が上がる 脈が速くなる

③ほろ酔い後期(自己抑制の解除、発揚状態)
気が大きくなる 大声でがなり立てる 怒りっぽくなる 立つとふらつく

④酩酊期(平衡感覚麻痺、運動神経麻痺)
千鳥足になる 何度も同じことをしゃべる 呼吸が速くなる 嘔気・嘔吐

⑤泥酔期(運動機能麻痺、脊髄反射麻痺)
まともに立てない 意識がはっきりしない 言語がめちゃくちゃ

⑥昏睡期(中枢神経麻痺)
揺り動かしても起きない、大小便は垂れ流し 呼吸がゆっくりと深い 死亡

楽しくお酒をたしなむには、① 爽快期 ~ ② ほろ酔い期でいられる量で抑えることがいいと思いますが、
その量は性別や体重などの個人差や体調等で変わるので、その日の体調に合わせた量のお酒を飲むようにしましょう。

◎二日酔いについて
飲んだアルコールは、主に肝臓でアセトアルデヒド→酢酸(お酢の主成分)に分解されます。
この中間物質のアセトアルデヒドには毒性があり、呼吸が速くなる、心臓の鼓動が激しくなる、吐き気、頭痛等の症状が出てしまいます。
一般成人がビール中瓶1本のアルコールを処理するのに4時間くらいかかるそうです。

◎二日酔いになってしまったら
二日酔いに良いとされている飲み物&食べ物を紹介します。

コーヒー:余分なアセトアルデヒドを体外に出し、覚醒効果もある
しじみの味噌汁:タウリンという成分が肝臓の解毒作用を促します
辛いカレー:香辛料のウコンには、肝臓障害を改善、機能を強化する働きがあります

また二日酔いの時に注意したいことがあります。
×お風呂に注意:発汗を促進し血圧が上昇するため、脳卒中などの引き金になることも!
×迎え酒:体にいいわけがありません アルコール依存症になる恐れも!!

おいしいお酒を召し上がってください。次回はお酒とお薬の関係を特集します。