「電子処方箋」とは、これまで紙で発行していた処方箋が電子化されたもので、患者様ご自身が紙の処方箋か電子処方箋かを選択することが可能です。
電子処方箋の運用開始により、さまざまな場面で医療サービスをより安全に、便利にご利用いただけるようになりました。ここでは、その概要やメリットについてご紹介いたします。
電子処方箋のイメージ
電子処方箋の仕組み
電子処方箋は、国が運営する「電子処方箋管理サービス」を通して医師・歯科医師・薬剤師間で処方箋情報をやり取りする仕組みです。
医師・歯科医師が「電子処方箋管理サービス」に処方箋情報を登録し、薬剤師はそこから処方箋情報を受け取ります。処方箋の内容や過去のお薬情報を確認したうえでお薬をご用意いたします。
メリット① 病院・薬局間の情報共有が促進され、より良い医療につながります。
管理サービスを介して、病院と薬局がつながり、円滑なコミュニケーションが可能になります。
患者さまが複数の医療機関をご利用の場合でも、処方されたお薬の情報を正確かつ素早く把握し、飲み合わせなどを薬剤師が確認できるため、安全性の向上につながります。
メリット② お薬代の負担軽減や、待ち時間の短縮につながる可能性があります。
医療機関同士の情報提供がスムーズになることで、患者さまが複数の病院を受診した際に、同様な効能を持つお薬の処方を防ぐことができます。
患者さまにとって不要なお薬の受け取りを避けることで、お薬代の負担軽減へつながる可能性があります。
また、薬局スタッフによる処方箋内容のシステム入力作業が不要になるため、患者さまの待ち時間短縮につながると共に、薬剤師がより丁寧な患者さま対応に注力できるようになります。
メリット③ オンライン診療・オンライン服薬指導が便利に
ご自宅などで、オンラインでの医師の診療、薬剤師の服薬指導を受ける際に、紙のやり取りが不要になります。全てオンラインで完結できるので、オンライン診療・オンライン服薬指導が利用しやすくなります。
これ以外にも、処方箋の偽造・不正防止や、処方箋の保管管理の簡便化など、医療機関にとってもメリットがあります。
① 病院・クリニックを受診し、電子処方箋が発行されます。
病院・クリニックで受診した際に、電子処方箋を希望する旨をお伝えください。
マイナンバーカードを保険証としてご利用の方は、カードリーダーのタッチパネルで電子処方箋を選択します。
病院・クリニックで電子処方箋が発行されたあと、処方内容の控え用紙が発行されます。
② 薬局で電子処方箋を提出します。
マイナンバーカードを保険証としてご利用中の方は、薬局にあるカードリーダーにかざすことで、薬局が電子処方箋データを受け取れるようになります。紙の保険証をご利用の方は、処方内容の控え用紙を薬局へご提示ください。薬局は記載されている引換番号をもとに、電子処方箋データを管理サーバーから抽出します。
③ お薬を受け取ります。
薬剤師が、患者さまの過去に処方されたお薬情報、併用薬の確認などを行います。
その後、電子処方箋の内容に基づいて準備されたお薬をお受け取りください。
オンラインでの利用方法
電子処方箋の仕組みを利用すれば、医療機関の受診~電子処方箋のご提出、お薬の説明までをすべてオンラインで完結することも可能です。ご自宅や職場、外出先など、どこでも医療サービスを受けることが可能になります。
よくある質問
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A.はい。電子処方箋は紙の処方箋と同様、交付日を含めて4日以内が有効期限です。ただし、長期の旅行等、特殊な事情があり、医師や歯科医師が処方箋に別途使用期間を記載した場合には、その日まで有効となります。
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A.電子処方箋を選ぶだけでは医療費は変わりません。
ただし、他に同じ効果のあるお薬が出ていないか確認できるようになり、確認の結果、処方する薬の量が減れば、医療費が安くなることはあります。 -
A.はい。少しだけ違いがあります。調剤を受けたい薬局での、保険証の番号と調剤したい処方箋の伝え方が変わります。
薬局でマイナンバーカードを使って受付をする場合、処方されている処方箋の一覧が画面に表示されますので、その薬局で調剤を受けたい処方箋を選んでください。
薬局で健康保険証で受付する場合は、健康保険証のほかに、処方内容(控え)を提示したり、マイナポータルで確認するなどして、引換番号を伝えてください。
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A.「その処方箋で何のお薬が出るか」「薬局でお薬をもらうために必要な『引換番号』」はマイナポータルでも確認いただけますが、まだ閲覧できない方もいらっしゃるので、しばらくの間は処方内容を印刷して控えをお渡ししています。
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A.いいえ。薬局に行って受付をする必要があります。
患者様がどの薬局でお薬を受け取られるかわからないため、受付手続きをする前に薬局が電子処方箋を受け取ることはできませんし、先にお薬の調剤をすることもできません。 -
A.薬局でお薬をもらうまでは保管することをおすすめしていますが、お薬をもらった後は破棄していただいてかまいません。なお、処方内容(控え)は、一度お薬をもらった後に再利用することはできません。